もうずいぶん前の事だが、友人が「土佐の清水さばって知ってるか?むっちゃ旨いで、ほんま。」という。
私の「いつか食べたいリスト」に追記されことは言うまでもない。
先日妻がJAFの会員誌「JAFメイト」に「清水さばが載ってるで」と私に差し出した。
誌面には四国の特集が記載されていて、その記事の中に清水サバが紹介されていた。
早速ネットでも調べてみる。旬は秋から冬にかけての脂が乗った頃だという。
今を逃すともう来年まで食べられないかも!
よし、行けるときに行こう!!と決まった。
問題は何処で食べればいいのかという選択だ。
土佐清水市役所の
清水さばのページを調べると取り扱い飲食店がいくつか掲載されていた。
しかし、これでは的が絞れない。
もっと詳しいことを聞きたくて
土佐清水市観光協会へ電話をして色々と教えてもらった。
本当に美味しい清水さばを食べるなら、活けで。しかも、水揚げされてから3日以内。
海が荒れて漁が出来ない時は食べることが出来ないので、これを食べるなら「活け」を出す所へ
直接問い合わせて確認が必要だということだ。
週末の16日に行く事に決め、観光協会さんの情報を頭に入れ、JAFメイトと清水市の紹介ページにも(活)と載っていた
ほざきへ電話をしてみた。
「ほざき」さんに決め打ちしたのに、その日は臨時休業・・・・・(T_T)
なんということか・・・・遠方からなのでその日に行きたいのに・・・・
と、こともあろうか「お勧めの他の店を知りませんか?」と訪ねると、(^_^;)
「あしずりさんは活けも出されてるしいいですよ」と商売敵であろう店舗情報を快く教えて頂けた。
※土佐清水市観光協会さんのご厚意で土佐のパンフレットを送って頂いた。(上の写真)
今回は「清水さば」がメインなので観光は無しだが、また観光目的でも行ってみたい。
16日の早朝4時に自宅を出発。
高知に到着した時には夜が明けていた。
南国サービスエリアにて、朝食を採る。名物?鍋焼きラーメンを食べた。
味は鍋焼きうどんがラーメンに成っているだけ、当たり前か。(^_^;)
ちょっと味が濃くて汁は飲めなかった。高知は関西より濃い口??
高速道路の渋滞や凍結を考慮して余裕を持って出たため時間はたっぷりある。
近くに取引先があるので一度見に行こうということになって高速道路を最終地点まで行かずに下りた。
土曜日の早朝ということで会社には人気はなかったが取引先の会社を一度は自分の目で見ておいた方が安心できる。
途中の道の駅でローカルな飲料を買ってみた。「ゆずドリンク」は果汁少なすぎ、「四国ジンジャー」は本当に生姜味で土臭い。「グァバ」はそこそこ楽しめた。
鯨の資料館があったので立ち寄り、ホエールウオッチングが出来るのか調べてみたが、
旬は夏場の晴れた日ということで冬場はダメらしい。
また夏に来て体験してみたい。
のどかな田舎道をひた走り、やっと四万十川へ到着した。
途中、ナビ通りに進んで高速道路へ迷い込み時間とお金を無駄にしてしまった。
同じ場所へ戻ると「古いナビ注意」の小さな看板が・・・・・(-_-;)
新しい道が出来て古いナビでは高速道路へ案内してしまうらしい。
しかも、その信号をを曲がるとすでに引き返すことが出来ない様になっていて次のインターまで出られない・・・・
とんでもない場所だ。高速道路代をぼったくる為の詐欺としか言いようがない。(T_T)
四万十川の川辺に産地直売の「彩市場」と言うところで「清水さば」を発見!!
「活け」じゃないが、特大でも1匹600円、小さい方は350円。
通販なら千円以上するのにやはり地元は安い!
そんなに高い高級魚でもないのが解り、ちょっと安心。(笑)
まぁ、ブランド物と言ってもサバですからね。
さて、清水さばを食べるのが目的の旅ですが、折角四国の外れまで来たのですから
四国最南端「足摺岬」を見ずにどうするということで、到着しました「足摺岬」。
出発してから約8時間。高知市街まで高速で3時間なのに、そこから5時間。
疲れましたよ。ほんと。高速道路の罠で半時間くらい無駄にしたし・・・・
で、ジョン万次郎の銅像を眺めた後、小腹が空いたので夜までに何か少し食べておこうと付近を散策。
と言っても、おみやげ物屋さん兼食堂はほんの数件・・・・
駐車場も20台くらいしかない。
四国最南端の足摺岬!!と良く聞く場所だがやはり来るのは一苦労だから観光地と言っても
そんなに観光客は無いのかも・・・・。
おまけに季節外れとあって、本当に人が居ない。
土産物屋の前を通るのは私達夫婦だけ・・・呼び込みの対象も私達だけ・・・(^_^;)
そのうちの一軒で「活けの清水さばありますよ、美味しいですよ」と声をかけられた。
定食ではお腹が一杯になってしまうので、造りだけで食べられますか?と聞けばOKという。
夜までは楽しみにとっておこうと思っていた清水サバだが、いろんな所で食べないと食べた店のレベルが解らないだろうと食べてみることに。
美味しい!!
うーん、これがサバ?新鮮な魚は何を食べても美味しいが、
サバの刺身って食べたことがないからもう少し癖のある物かと思っていた。
魚臭さはまったく感じられず、噛むほどに甘みが感じられる。
タイとハマチの間?的な感じですぐに無くなってしまった。
土佐に来たのだからやっぱり「カツオのタタキ」
これも美味しい。近くのスーパーで買ってくるタタキとは一味も二味も違う。
カツオのタタキをあまり好きではない妻も美味しい美味しいとどんどん食べてこれもすぐに無くなった。
うーん、夕飯への期待がふくらむ。
空腹も和らいで足摺岬の散策へ。
四国一の風景が見れると期待をしながら天狗の鼻へ・・・・
そして撮影したのが冒頭の写真。
へ?これが四国一??ほんまかいな。(^_^;)
まぁ、写真が悪いといえばそうかもしれないし、朝日なら順光でもっと美しく見ることが出来るのでしょうけど、それにしてもどうかと・・・
で、「ビロー自生地」っていう看板もあったからそちらへ向かったんですが、現地に到着しても何のことなのかさっぱり解らない。「ビローってどれよ?」
とりあえず写真を撮ってみたが、岬への入り口の看板に小さくビローの絵が描かれていた。
どうやら真ん中に写っている椰子の木みたいなやつが「ビロー」らしい。
ちゃんとその場で説明がないと解らへんって。
そして灯台へ。付いている扉の大きさからも解るでしょうが、そんなに大きくもないが、真っ白の定番的灯台。
この灯台の付近に足摺岬の七不思議・・・みたいな感じで様々な不思議なことが説明されているが、これがまた子供だましというか、わざわざ書くほどのことでもない事柄ばかり。(^_^;)
観光客が少ないからこうなのか、こんなだから観光客が少ないのか解らないが、もう少し気合いを入れて欲しい・・・
まぁ、ほのぼのとしてるのがいいのかも。
岬のふもとの岩場には釣り客が居て、引き上げの時間になったのかお迎えが来ていた。
このボート民宿「足摺はっと」の船の様だ、テレビにも出た民宿で有名らしい。
泊まりで釣りと海の幸を楽しみたい人にはお勧めかも。
足摺岬を後にして目的地「清水港」へ向かう。
「清水港」と言えば「次郎長」だが(古い)、その「清水港」とは違う土佐の「清水港」
港の湾内なのにこの水の美しさ。さすが太平洋である。瀬戸内海とはえらい違い。
そしてやっと目的地
御食事処あしずりに到着した。
他の清水さばを食べさせるところは寿司屋とか和食店だが、ここは中華やトンカツとかもある食堂。
中も写真のように食堂の雰囲気だ。
観光協会に教えて貰ったとおり、事前に電話をして活けの清水さばが食べられるか問い合わせ、予約しておいた。土曜には漁が無いそうなので、ちゃんと確保しておいてもらうことに。
PM5時の開店より早めに到着したので裏の駐車場に停めて仮眠を取った。
5時過ぎ、予約をした●●だと告げ、テーブル席横の座敷へ上がった。
清水さばのお勧めを聞いてメニューも予約しておいたのですでに準備がしてあり
次々と清水さばが出てきた。
なにはなくとも活けの造り。メニューには「清水さば定食」となっているが清水さばをメインに食べたい為、定食ではなくて造りに。
ど〜んと丸々一匹分?いやもしかすると一匹以上かも。
これで四人前。
旨い!!とにかく旨い!!!
昼食で食べた物より活きがよい感じ。歯ごたえ、甘み、香り、申し分ない。
この写真の方が大きさが解るだろうと人との対比の解る写真。
ふふふ、幸せ。
両脇の少し黒っぽいところはモチモチしてまた違った食感。
味が美味しいのは白い方。食べる部分での違いが楽しめる。
スライスしたニンニクを乗せるとまた違った美味しさ。(^_^)
これは清水さばの「塩タタキ」
醤油では無くて、塩で味付けされた清水さばのタタキ。
薬味で覆い尽くされているが、下にはタタキがぎっしり。
これも四人前。
清水さばを食べに来たのだから、全て清水さば。
で、これが超〜旨い!!!!
臭みのまったく無い清水さばに塩味と薬味が絶妙の取り合わせ。
何も言わず黙々と食べる二人。(笑)
私は素材の持ち味がダイレクトに解るお造りを評価したいが妻はこのタタキが素晴らしいと言う。
いづれにしてもどちらも甲乙付けがたい美味しさだ。
そして〆は清水さばの「焼さば寿司」
ネットの口コミでも、特にこの焼きさば寿司の評価が高い。
これは一人前(一本)だが、これとは別にお土産として三本持って帰った。
焼いて甘さの増したサバと味付けされたシャリが本当に美味しい。
造りを四人前、塩タタキを四人前、そしてこの焼きさば寿司。
どれも塩味が強いのと、さば寿司は冷えても美味しく食べられるように味が濃いめに付けてある。
さすがにこれだけサバを塩味基本で食べるとちょっと辛い。
妻はこれに梅酎ハイを頼んだのだが、本当の梅干しを潰した塩味。(^_^;)
他にも美味しそうなメニューが沢山あったので、次回は種類を多く食べてみたい。
しかし、今回はサバがメイン。十分に堪能出来たのは願ったり叶ったり。
翌日持ち帰って食べた冷えた焼さば寿司は、これも格別の旨さだった。
土佐沖の太平洋で釣られ、活きの良いまま水揚げされ生きたまま調理される。
これが不味い訳がない。
サバと言えば有名な「関さば」がある。捕れる場所が違い名前も違うが新鮮なサバは本当に美味しい。
サバ三昧を堪能し、45分後には店を出た。
ここへ清水さばを食べるためだけに8時間かけてやってきて、また今から帰路に就くと言うと
遠路はるばるご苦労様と「あしずり」の名が入ったタオルを二枚頂いた。
そして、店の方々全員(5人くらい)で見送って頂いた。
ありがとう、ごちそうさま。また必ず来るからね。
帰り道、時折サービスエリアで仮眠を取りながら帰り着いたのは夜中の三時半。
約24時間、丸一日の清水さばの旅は終了した。
疲れたが有意義な旅だった。
次回は何処かで一泊したい。(笑)